虹を纏いし神秘なる一角獣
いつからか、デイモス教団に所属するハンター達が幻獣狩りを始めるようになった。
突如として始まった目的不明の行為に、アドキーナは絶望と不安に苛まれる大地を見た。
彼だけでは全ての幻獣を守る事はできなかったが、できうる中でも最善の選択をした。
女神に最も愛された、女神との交感能力を持つ特別な幻獣「ユニア」を守り抜いたのだ。
しかし混乱の中、やっとのことで守り抜いたユニアは、太古の姿に戻ってしまっていた。
そして、なぜか眠りにつき、全く動こうとはしなかった。
長きに渡ってユニアを見守り続けたアドキーナでさえ、ユニアの身に起きた
異変の原因は分からなかった。
そんなある日、暇を持て余したシャイニックがアドキーナを訪ねて来た。
アドキーナは、ユニアを元の姿に戻す方法がないかとシャイニックに尋ねた。
僅かながらに興味を持ったシャイニックは、アドキーナの願いを受け入れ、
ユニアを連れてタルタロスへと戻った。
タルタロスに帰還したシャイニックは、ユニアについてのあらゆる研究を行ったが、
あまり得られるものはなかった。
すっかりユニアへの興味を失っていたシャイニックの前に、女神の使いと呼ばれる冒険者が現れる。
冒険者が来訪する度に、ユニアが何か動こうとしていることに気が付いたシャイニックは、
急いでアドキーナに使いを送り、その状況を説明する。
アドキーナは冒険者の存在に驚きながらも、ある結論を導き出した。
女神との交感能力を持つ幻獣が、この場所でデイモス教団に脅かされ続けるよりは、
現在の女神…イリスの使いである冒険者の傍にいる方がいいのではないか…と。
それがユニアの願いなのかも知れない…そう考えたアドキーナはユニアを
冒険者の元へと送り届けることにした。