べルキア王国の偉大なる国王
べルキアの国王レトゥムは「聖君」との呼び声高い偉大なる王だった。
彼はその類まれなる才能を生かし、べルキア王国の隆盛に力を尽くした。
小国であるべルキア王国が、数多の勢力が拮抗する
プレイオス大陸でその存在を固辞し続けるためには、
プレイオスで最も資源に富んだミルガンディア地域を手にするしかない、
というのが彼の考えであった。
そしてレトゥムは、ミルガンディアへの進軍を始めた。他の勢力が先に
ミルガンディア地域を手に入れてしまってからでは遅いのだ。
ドルリッジの住民達とドルイド達が対立し、プレイオスの他勢力も虎視眈々と
ミルガンディアを狙う中で、
その戦火に巻き込まれたミルガンディア地域の一部は荒廃しつつあった。
豊かな土地が荒れ果てていく様を見て、レトゥムは自分の考えが間違っていたことを悟り、
撤退することを決めた。
しかし、王国に戻る途中で彼らはアンデッドの襲撃を受け、
大半の戦士と魔法使いは命を落としてしまった。
レトゥムは自らの軍隊を滅ぼした「ネファンダス」を呪い、
復讐を誓いながら異国の地で力尽きた。
永遠の眠りについたはずのレトゥム。
その彼が目を覚ました時、彼は自分の姿が呪いによって醜く変貌していることを知る。
アンデッドの姿で墓を徘徊する偉大なる王、その姿は怪奇そのものだった。
…彼は、もう偉大なるべルキア王国の国王ではなくなっていた。