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月明かりが照らす、美しいエリアスの夜
その日も"人ならざる者たち"が、街を行く人々を捕まえては
賭けを挑んだり、いたずらを仕掛けたりする
”遊び”を繰り返していた。
彼らは遊びを通じて気に入った者には願いを叶えてやる反面、
そうでない者は嘲笑し、幻のように消えていくのだという。
そうして人々を惑わし続けた存在は、
やがて「ホロウルーラー」と呼ばれるようになった。
ホロウルーラーによる混乱は収まる気配を見せず、
ついにエリアスの女王までをも巻き込む事態となった。
なんと…女王直々に、
ホロウルーラーにある賭け事を持ち掛けたのだ。
それは、
”エリアス近域のモンスターをどちらが多く倒せるか”
というものだった。
まんまとその提案に応じてしまったホロウルーラーだったが、
賭けには紙一重の差で敗北し、
約束通りに女王の願いを叶えることになってしまった。
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女王の願い…それは
”ホロウルーラーを封印すること”だった。
それを聞くなり、
ホロウルーラーは一目散に逃げようとしたが、抵抗もむなしく、
そのままバットの中へと封印されてしまうのだった。
もう二度と外の世界に出れないのだと
不貞腐れていたそんなある日。
ふと目覚めると、
そこはいつもの見慣れたエリアスの街中だった。
不思議なことに、その姿は人間のものとなっており、
手には自分が封印されたあのバットを握りしめていたのだ。
目覚めた世界では凶暴なモンスターが人々を脅かし、
人間の姿となったホロウルーラーにまで襲い掛かってくる始末だ。
「こんな状況じゃ、賭け事やいたずらどころじゃねぇ!」
腹を立てたホロウルーラーは、
ついに”鬼火”の封印までもを解き放ち、
モンスターを燃やし尽くす決意を胸に旅立つのだった。