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  • 陰に生きる者達の暖かくて平和な村
  • 正確にはいつなのかはわかっていないが、
    エルフ達にも光と闇を分け隔てることのない時代があった。

    一時は同じ意志のもとに集まった者達も、
    今はそれぞれの思想を持つようになり分かれていったが、
    それでもエルフ達は、光と闇、黒と白がお互い手を取り合えると信じ、
    自分達のいる場所が永久に平和であることを祈り続けている。

    光に従うリョスアルプド勢力の村は、明るく穏やかな雰囲気であることに対し、
    闇に従うドークアルプド勢力の村は、暗く静寂に包まれている。

    そんな村の中で中核を担うのが、
    サラール海岸の近くの崖下にある「ニーダロス」だった。
  •  
  • 長い間戦争が続いた混沌の空の時代。
    故郷を失った数多くのエルフ達が、
    生きながらえるための場所を探し求めた末に
    海岸付近の崖下に集まり暮らし始めた。

    暗く冷たかったその場所も、少しずつ温もりを持つようになり、
    [命の時を集めた空間]という意味の「ニーダロス」村は、
    住民達の弛まぬ努力で、アルフヘイムの中でも
    均衡の取れた村と呼ばれるようになった。

    どんな波が押し寄せても、
    静かな海のように穏やかだったニーダロス。
    だからこそ住民達は何が起きても
    ニーダロスの均衡が破られることはないと信じていた。

    しかし、彼らは知らなかったのだ。
    次にこの場所を訪れる運命の波は、
    恐ろしいほどに高く、そして荒々しものであるいうことを。

  • 美しい珊瑚が煌く特別な海岸
  • 混沌の空の時代、
    ドークアルプドというだけで戦争に巻き込まれたエルフ達がいた。

    村を失い、生きる場所を探し求めていたエルフ達は、
    ある崖下の海岸で足を止めた。

    美しい珊瑚が煌めく情景を前に、誰が先とも言えず祈りを捧げていると、
    その祈りに呼応するかのように、海から神秘的な歌声が響き渡ったという。

    今まで誰も見つけることができなかった海岸に辿り着いたのも、
    その歌声を聞いたのも全てが神の導きだとエルフ達は考えた。

    そうして海辺の近くの崖に村を建て、
    その名前を「ニーダロス」と付けたのだ。
  • 不安が渦巻く村
  • ニーダロスのエルフ達は、
    森と共に生きる他のエルフ達とは違い、海の傍で暮らしていた。

    海で泳ぐのはもちろんのこと、小さな船に乗って魚を獲ったり、
    集めた塩の結晶で他の村と取引したり、美味しい料理を作り食べたりしていた。
    彼らにとっての海は、生活を支えてくれる何よりも大切な存在だった。

    そんな海が、いつからか少しずつ変わり始めた。
    魚たちは姿を消し、穏やかだった海も次第に荒れる日が増え、
    高波が村まで押し寄せることもあった。

    そんなある日。奇妙な遺物が村へと流れ着く。

    その日を境に、村には不吉な噂が広がり始めた。
    ”邪悪な気配が押し寄せ、いずれサラール海岸を飲み込んでしまうだろう”と…

    不吉なことが相次いだことで、ニーダロスを訪れる人は減り、
    瞬く間に村と海岸は活気を失っていった。

    寂れたこの場所の空に大きな影が現れても、誰も関心を向けないほどに。

  • 波の狭間から聞こえてくる美しい歌声
  • 昔から、ニーダロスに危険が迫ったり、不吉なことが起こると
    サラール海岸では美しい歌声が響き渡ると言い伝えられている。

    村が危機から脱する度に住民達は海岸へと集まり、
    海の中にいる偉大なる者に感謝を捧げた。

    当初、村人達は歌声の主が
    伝説の中の「セイレーン」ではないかと考えていたが、
    海に落ちた漁師から「美しい天使が助けてくれた」という話が出てきてからは
    ニーダロスを導いてくれていたのは天使だったのだと考え始めた。
  • 老人と天使
  • ある日、一人の漁師が魚を獲るために船で海へと向かった。
    そこで、突然の強風に襲われ、船がひっくり返り、
    海へと投げ出された漁師は、死を悟りながら気を失った。

    海の中から美しい歌声が聞こえ、目を覚ました漁師は、
    自分がまだ生きていることに気づいたのだった。

    漁師は海中にある古代の遺跡のような場所に倒れていたが、
    不思議と息をすることができた。
    体を起こした漁師が気を取り直して周りを見渡していると、
    純白の翼を持つ美しい天使と目が合った。

    天使は「波が引けばあなたを外に出してあげる」と言い、
    その間、話し相手になってほしいと頼んできた。

    漁師は長い間天使と話をしていく中で、今いる場所が
    古代の賢者の知恵が宿る場所であることを知り、心底驚いた。
    その次の瞬間、気が付いたら漁師は海岸の外に立っていた。
    あれはただの夢だったのかもしれないと思っていたが、
    漁師の手には天使の羽が残されていて、夢ではなかったことを確信する。

    漁師はもう一度あの天使に会いたいと思い、海岸を歩き回ったが、
    天使がいたあの場所は見つかることはなかったという。

  • 高度な技術で造られた飛行艇
  • エルフ達に案内され辿り着いた美しい海岸で、
    一人の魔法使いが何やら見慣れない物体を見つけた。

    天使の翼のように見えるそれは、虚空に浮かんだまま
    まるで誰かに自分のことを見つけてほしいと訴えているかのようにみえた。

    魔法使いはその神秘的な雰囲気に導かれ、無意識のうちに近づいた瞬間、
    その翼は海岸を見下ろせるぐらいの高い場所に魔法使いを連れ去ってしまった。

    今まで一度も訪れたことがないような怪しい場所に来てしまった魔法使いは
    自分のいる場所がどこなのかを調べるために内部を探索し始め
    そこで、重大な事実に気づく。

    そこは、動力が尽き、海岸に留まっていた「飛行艇」の内部だった。
    どうやらこの飛行艇は黄昏時代以前のもので、
    現在の文明では再現できないほどの高度な技術で造られたものだった。

    魔法使いは、少しでも長く飛行艇について調査したかったが、
    輝く翼が彼を元の場所へと戻してしまったせいで
    それ以上調べることはできなかった。

    それ以降、古代の飛行艇は一度も人々の前に姿を現してはいない。
  • 翼が示す目的地の果て
  • 魔法庁長クローリーは、
    尊敬してやまなかった魔法使いがこの世を去ってからというもの
    彼の資料を整理し続け、ついに「翼」という手がかりを見つけた。

    そして、それがマッドゴーレムを運用していたクリードの技術が一部流用された
    遺跡にも似た装置であることまでを突き止めた。

    しかし、それ以外は新たな成果を得られずに時だけが過ぎて行った。

    それからしばらく経ち、クローリーの「翼」に関する調査資料は
    シルバリア帝国の議会へと渡り、飛行艇の開発の助けとなった。

    だがその反面、この世界を狙う者が
    「翼」を見つけるきっかけともなってしまったのだ。

    それら過程で、「翼」はある目的地に向かうためのものだという事実が判明した。
    その目的地こそが”神達の領域”だった。