ボスモンスター

  • 森の守護神。会話を好む神秘的なゴーレム
    オネイロの森には、村人が守護神と呼ぶ存在がいる。
    普段は姿を見せないが、時折彼を呼ぶ声の下にやって来るらしい。
    子供達が彼に会えると、大喜びで一緒に遊び、
    大人達は森がいつまでも平和であることを祈る。

    そんなオネイロの森を侵略しようと、多くの者がやって来た。
    そのたびに彼は敵と戦い、森に住まう生命を守った。
    守護神はすべての悪意ある者達を排除し、
    やがて、森に近づく者はいなくなっていった。

    人々の望み通り、森には永遠とも思える平穏が作られた。
    自分が存在する限り、何が起きようとも問題にはならないのだと、守護神は考えていた。

    しかし、それは間違いだった。
    彼の目の前で、自らを慕っていた者達は呪われていった。
    その姿に、彼は思わず意識を手放した。

    やがて目を覚ました彼は、これまで忘れていた自らの目的を思い出す。
    何故自分がここにいるのか、自分が何をすべきなのか。
    揺るぎのない一つの事実、それは、彼が守護神ではなかったということだ。
  • 森の守護神と共に呪われた少女
    暗黒戦争と名付けられたイーストランドの戦争の最中、
    森の守護神は奇妙な気配を放つ存在が森に侵入して来たことを感知した。
    森の外へと追い出すために向かおうとした守護神の前に、彼女が現れた。

    ひび割れた魂の隙間に、呪われた力を注がれ苦しむ少女…
    助けを求める彼女の姿に、森の守護神は森の精気を与え癒した。
    そして、行き場のない少女に森という住処を与えた。
    自分の知る愉快な話を聞かせ、共に過ごし、やがて友達となった。

    時が流れ、平穏だった森にいつかの彼女を思い出す気配が現れた。
    少女は、本能的にそれが自分の呪いに近いものだと気づき、守護神の下へ向かった。
    しかし、ようやく見つけた守護神は、いつもと違う姿をしていた。

    少女は、呪われたオネイロ村と、森の守護神を元に戻す方法を求めた。
    まずは、この事態を引き起こした犯人を捜さなければいけないと考え…
    そのために、自らの魂に潜む呪いの力を開放することを決意した。
    それも仕方のない選択なのかもしれない。今の少女に、それ以外に縋れるものなどないのだから。
    だからこそ、更なる悲劇が彼女を襲った。当然、呪いを制御できるはずもなく、彼女の魂を蝕んだ。
    後悔と絶望に塗りつぶされた頭の中に、なぜだか遠い昔に別れた友達の名前を思い出した。

    「シャイニック…」
  • モス王国の貪欲な王子
    ノックス王子はいつかイーストランドを超え、かつての先祖が統治していた
    ブレイオス大陸に戻るという夢があった。モス王国の復権という欲望は日に日に肥大化し、
    そのための協力者を求めていた。それがヴァンとマーラの耳に入り、彼らと出会うことになった。
    ノックス王子はモス王国を利用しようとする兄妹の言葉に驚きながらも、その力を試すことにした。
    二人の能力はすさまじく、魔石を使用して少数民族や精霊を洗脳し、
    ジュード王国に甚大な被害を与えたのだ。

    そして、ノックス王子は彼らの力を借りて、自分の夢を叶えることにした。
    当然、モス王国が復権した後には、二人とも始末するつもりだった。
    しかし、結果としてノックス王子の願いは叶うことはなかった。


    シルバリア帝国は、ついにモス王国討伐のため、連合軍を結成した。
    モス王国は連合軍により、領土の大部分を失い、モロスまで追いつめられた。
    その過程で国王ボイドは死亡し、王国滅亡の危機に至った。

    ノックス王子は、ヴァンとマーラが指定した空間で、最後の戦いに向け準備を行っていた。
    使用したくはなかったが、魔石を利用すれば簡単に力をつけることもできた。
    ノックス王子の生まれ持った精神力のせいか、魔石の力に侵されることもなかった。
    新たに得た力は、迫る連合軍を一人で追い返すことも可能にした。
    そして、モス王国の復権どころか、滅亡の危機に陥っていることに憤慨し、
    自らの手でヴァンとマーラを始末することに決めた。
    そのためにも、まずは目の前の邪魔者を全て消し去ろうと歩みを進めた。