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  • Part1
  • 大地を守った勇者の物語
  • 生命を愛した古代神が姿を消したことで、
    魔界に潜む魔族や悪魔は、チャンスとばかりに
    この『世界』への侵攻を始めた。

    その脅威に対し、人間やエルフ、ドワーフ、
    獣人までもが手を取り合い立ち向かった。
    『世界』に住まうすべての命ある者達の協力によって
    長きにわたる戦いは、この『世界』に住まう者達の勝利で終結した。

    この時『世界』を守るために戦った者達は、
    やがて「勇者」と呼ばれ、人々に称えられるようになった。
  • Part2
  • 生を愛するエルフの村
  • エルフの国「アルフヘイム」には2つの勢力とその都市があった。
    光に従う者達の「リョスアルフ」と闇に従う者達の
    「ドークアルフ」。

    だが、その勢力に属することなく、
    かつての勇者を信仰する者達の村があった。

    “自らの生を愛する”という意味の名を持つ村「リーヴスラシル」。
    そこの住民達は、先祖が魔族に立ち向かい戦った痕跡を守り
    勇者の意思を継ぐことが大切なのだと信じていた。

    今では、リーヴスラシルは勇者の伝説が残る
    アルフヘイム一番の観光地として栄えていた。

    一部のエルフからは、エルフの伝統を守らない
    異端の村だと指摘する声が上がっていたが、
    住民達はまったく気にしていないようだ。
    かつてエルフらしく生きていた頃よりも、
    今の方が幸福だと、そう思えているのだから。

  • Part1
  • 月のオーラが息づくムーンエルフの故郷
  • 精霊は目を覚ました瞬間から、古代神からの使命である
    この『世界』の生命のために生き、
    彼らを助けるためだけに動き始める。

    エルフ一族は、そんな精霊の動きを
    誰よりも早く感じることができた。
    森の中で美しく流れる精霊を見つけ、
    彼らと共に生きるようになった。

    月の精霊ルナリスと暮らすエルフ一族の森は、
    いつからか淡く美しい輝きを放ち始めていた。
    そしてやがて水晶のように輝くその森は、
    「水晶月の森」と名付けられその森に暮らすエルフは、
    「ムーンエルフ」と呼ばれるようになった。
  • Part2
  • 孤立と共存の間で生きていた森
  • 変わりゆくプレイオス大陸の中で、
    王国アルフヘイムにも、やがては変化の時が訪れる。
    孤立か共存か…選択の末、故郷を離れるエルフ達が現れ出した。

    だが、残された者達は先祖の意思を失わず、
    森で生きていく方法を見つけ出した。
    それは水晶月の森のオーラを分け合うこと。

    リーヴスラシルが勇者の物語を活用し、
    森を開放して観光地として栄え出すと
    たくさんの人達が森を訪ねるようになった。
    また、月のオーラを浴びた鉱物や
    植物達は魔法道具の材料として魔法使いから重宝された。

    エルフ達は過去とは異なる生き方を余儀なくされたが、
    森を大切にして愛すること。変化を恐れず、成長できること。
    その意思だけは変わらずに胸に抱いている。

  • Part1
  • 大陸の危機を救った勇者が眠る場所
  • 「ビースト」、それはすべての生命が恐怖する「魔王」の名。
    だが、それだけ強大な存在ではあるが、
    その正確な記録は残されていない。
    地域や時代によって、魔王の脅威を伝える物語には差異があった。

    確かなことは、古代神、捻じれた者だけでなく
    魔王すらも姿を消して、その空席を狙うように
    魔界から魔族や悪魔が現れ出したことだけだ。

    だが、彼らもこの『世界』を飲み込むことはできなかった。

    この『世界』にはいつだって、
    悪と立ち向かおうと必死に戦う生命がいたのだから。
  • Part2
  • 守ろうとした星の墓
  • 魔族や悪魔に立ち向かうため、すべての生命が
    種族を越えて一つになった。
    人々はそんな勇気ある者達を「勇者」と呼んで称え、
    彼らの偉業を忘れないように、たくさんの歌や物語を生み出した。

    その勇者の中には、エルフの村リーヴスラシル出身の者もいた。
    彼はすべての戦いを終えて村に戻ると、眠るようにこの世を去った。

    エルフ達は彼の死を悲しみながら水晶月の森の奥に彼の墓を作った。
    だが、そこでは彼の墓を壊すような、不吉な事故が数多く起こった。
    エルフ達は黄昏の聖堂と司祭団にその場所の管理を一任し、
    長い間、大切な勇者の墓を守っていた。

    そんな中で、怪しげな人物の登場と共に、
    隠されていた勇者の墓への道が開かれる――

  • Part1
  • 生命と勇者の意志が込められた聖堂
  • 生命を愛する神々が姿を消してからも、
    多くの生命は神が消えたその場所を守り続けていた。
    そして、精霊と共に神が残したものを後世に残そうと
    様々な努力を行った。
    やがては神への信頼は信仰となり、宗教と教団として
    今も人々の生きる支えになっている。

    だが、そのスタンスは様々で、人間は特定の神を信仰するが
    エルフ達は神を含む自然にいるすべてのものを信仰していた。

    「ホドミス」は多くの光のエルフ一族が属する教団で、
    人間と異なりあまり勧誘には積極的でないものの、
    救いを求める者達にとっての安らぎの場所を作りたいという
    願いに共感した者達の支えによって、
    長きにわたり続いている教団である。
  • Part2
  • 静かだった聖堂を騒がす者達
  • ホドミス教団はたくさんの人々が訪ねられるようにと、
    大きな聖堂を建てられる場所を探していた。
    そして教団は、月のオーラに満ち古代神が持つ光と闇の痕跡が残る
    水晶月の森へと辿り着いた。

    教団はそこで、かつての神々の教えが失われないよう、
    たくさんの者達を迎え入れていたが、
    時間が経つにつれ、訪れる人の数も減っていった。
    長い時を生きるエルフであってもその減少は抑えられなかった。

    今ではその教えを受けるためではなく、観光のために
    司祭や村の管理者が訪れる程度の場所となってしまっていた。

    しかし、聖堂の前に怪しげな者達が現れ
    静かだった聖堂に、再び騒がし気な声が響き始める。