- Part1
- 神聖なる地、ハイランド
-
遥か昔、プレイオス大陸のとある村の上空が、
突如として眩い輝きを放った。
その光は、長い間消えることなく人々を照らし、
“ここ”ではないどこかへと導いていった。
何もない、すべてが止まった、そんな不思議な世界へ――
やがて、人々は再び不思議な世界からプレイオスへと戻ることができた。
だが、そこにはもう彼らの知るプレイオスの姿はなくなっていた。
時空間が捩じれたかように、地面は割れ、空へと浮き上がり、
かつて暮らしていた村は、大陸の最も高い場所へと移っていた。
人々は怯えながらも、
これも神の意思なのだとそこで暮らしていくのだった。
そうして、この地域は大陸で最も高い場所にあることから、
"ハイランド(Highland)"と呼ばれるようになった。
- Part2
- 偉大なる戦士達の末裔
-
プレイオス大陸の覇権を握るための戦い「混沌の空」
様々な国や勢力によって、大陸中を巻き込んだ争乱は、
ハイランドの中心にあるインヴァネル村にも迫っていた。
だが、神の意思によって生まれた建造物を守るために、
神を信仰する多くの人々が、心を一つにして立ち上がった。
偉大なる戦士達の手によって、
ハイランドへの侵攻を退けることはできたものの、
その被害は激しく、復興は容易ではなかった。
幸いにも、インヴァネルと縁があったシルバリア王国のシエナ女王が
ハイランドへの援助を行ってくれたが、問題は山積みだった。
神聖な地であるということがハイランドの誇りだが、
しかし、それ以外には何もない大地であるということも事実だった。
戦争が起きた今、住民達は確実な未来と後ろ盾を求めていた。
インヴァネルの村長は悩みながらも、
王国から帝国になったシルバリアの君主シエナを訪ね、
お互いの未来についての提案を行った。
シルバリアが初めて神聖なる地を有する国となる代わりに、
ハイランドには独立性を認め、住民達が帝国の国籍を持ち
同等の権利を行使できるようになる……そんな提案を
- Part1
- 神聖なる地、ハイランド
-
遥か昔、プレイオス大陸のとある村の上空が、
突如として眩い輝きを放った。
その光は、長い間消えることなく人々を照らし、
“ここ”ではないどこかへと導いていった。
何もない、すべてが止まった、そんな不思議な世界へ――
やがて、人々は再び不思議な世界からプレイオスへと戻ることができた。
だが、そこにはもう彼らの知るプレイオスの姿はなくなっていた。
時空間が捩じれたかように、地面は割れ、空へと浮き上がり、
かつて暮らしていた村は、大陸の最も高い場所へと移っていた。
人々は怯えながらも、
これも神の意思なのだとそこで暮らしていくのだった。
そうして、この地域は大陸で最も高い場所にあることから、
"ハイランド(Highland)"と呼ばれるようになった。
- Part2
- 偉大なる戦士達の末裔
-
プレイオス大陸の覇権を握るための戦い「混沌の空」
様々な国や勢力によって、大陸中を巻き込んだ争乱は、
ハイランドの中心にあるインヴァネル村にも迫っていた。
だが、神の意思によって生まれた建造物を守るために、
神を信仰する多くの人々が、心を一つにして立ち上がった。
偉大なる戦士達の手によって、
ハイランドへの侵攻を退けることはできたものの、
その被害は激しく、復興は容易ではなかった。
幸いにも、インヴァネルと縁があったシルバリア王国のシエナ女王が
ハイランドへの援助を行ってくれたが、問題は山積みだった。
神聖な地であるということがハイランドの誇りだが、
しかし、それ以外には何もない大地であるということも事実だった。
戦争が起きた今、住民達は確実な未来と後ろ盾を求めていた。
インヴァネルの村長は悩みながらも、
王国から帝国になったシルバリアの君主シエナを訪ね、
お互いの未来についての提案を行った。
シルバリアが初めて神聖なる地を有する国となる代わりに、
ハイランドには独立性を認め、住民達が帝国の国籍を持ち
同等の権利を行使できるようになる……そんな提案を
- Part1
- ハレイン一族とグリフォン
-
ハイランドには、
偉大なる戦士であるハイランダー、ハレイン一族が暮らしている。
ハレイン一族は、グリフォンという空を翔ける生き物と
心を通わせる能力を持っていた。
グリフォンを手懐けると高山地帯の農業や採集、狩りなどに役立つため、
ハレイン一族は成人になるとグリフォンを探し求めて旅に出る。
グリフォンを必要とするハイランド地域だが、そのグリフォンは
プレイオス西部のエルアノール山岳地帯に多く生息していたのであった。
エルアノール地域では、
ハレイン一族は過激でトラブルをよく起こすなど噂されているが、
それは荒々しいグリフォンを手懐ける様子を初めて見た人達の
誤解に過ぎない。
そうして手懐けたグリフォンは、主人がこの世を去るまで
主人の傍を片時も離れることはない。
- Part2
- 廃墟と化した過去の栄光
-
10年ほど前から、ハイランドのモンスターが増加していた。
ハイランダーを始めとした帝国の騎士団が、定期的に掃討作戦を行っているが
一向にモンスターの数は減らなかった。
さらに、モンスターがインヴァネルの中にまで侵入する回数も増え、
ついには一部の区域を奪われてしまう事態にまで発展した。
時が経ち、インヴァネルはモンスターと人が共存する場所となった。
人とモンスターがお互いに距離を置き、
住み分けて暮らすことに皆が慣れていったのだった。
そんなある日、手懐けていたはずの一匹のグリフォンが、
人間の居住区域にて、貴族の一人を殺してしまう。
少なくともハイランドや、インヴァネルでは、初めての出来事だった。
数千年を共にし、信頼していたグリフォンが起こした事件によって、
居住区域へのグリフォンの立ち入りが禁止され、
ハレイン一族の飼うグリフォンは、モンスターの巣窟となった
廃墟区域へと追い出されてしまう。
そして、その後のインヴァネルには不穏な噂が流れ始める。
グリフォン達がおかしくなったのは、魔女のせいだという噂が……
- Part1
- ハレイン一族とグリフォン
-
ハイランドには、
偉大なる戦士であるハイランダー、ハレイン一族が暮らしている。
ハレイン一族は、グリフォンという空を翔ける生き物と
心を通わせる能力を持っていた。
グリフォンを手懐けると高山地帯の農業や採集、狩りなどに役立つため、
ハレイン一族は成人になるとグリフォンを探し求めて旅に出る。
グリフォンを必要とするハイランド地域だが、そのグリフォンは
プレイオス西部のエルアノール山岳地帯に多く生息していたのであった。
エルアノール地域では、
ハレイン一族は過激でトラブルをよく起こすなど噂されているが、
それは荒々しいグリフォンを手懐ける様子を初めて見た人達の
誤解に過ぎない。
そうして手懐けたグリフォンは、主人がこの世を去るまで
主人の傍を片時も離れることはない。
- Part2
- 廃墟と化した過去の栄光
-
10年ほど前から、ハイランドのモンスターが増加していた。
ハイランダーを始めとした帝国の騎士団が、定期的に掃討作戦を行っているが
一向にモンスターの数は減らなかった。
さらに、モンスターがインヴァネルの中にまで侵入する回数も増え、
ついには一部の区域を奪われてしまう事態にまで発展した。
時が経ち、インヴァネルはモンスターと人が共存する場所となった。
人とモンスターがお互いに距離を置き、
住み分けて暮らすことに皆が慣れていったのだった。
そんなある日、手懐けていたはずの一匹のグリフォンが、
人間の居住区域にて、貴族の一人を殺してしまう。
少なくともハイランドや、インヴァネルでは、初めての出来事だった。
数千年を共にし、信頼していたグリフォンが起こした事件によって、
居住区域へのグリフォンの立ち入りが禁止され、
ハレイン一族の飼うグリフォンは、モンスターの巣窟となった
廃墟区域へと追い出されてしまう。
そして、その後のインヴァネルには不穏な噂が流れ始める。
グリフォン達がおかしくなったのは、魔女のせいだという噂が……
- Part1
- セレス教団と教皇
-
プレイオスで神に仕える教団はと聞けば、
誰もがセレス教団の名前をあげるだろう。
他にも数多くの教団はあるが、
一般市民にまで名前の知られた教団は他にない。
また、セレスとは異なる神を信仰している教団の司祭やシスター達も、
自身の教団について説明するには、かなりの時間を要してしまうため、
対外的にはセレス教団だと話している。
魔界がプレイオス大陸への侵攻を始めたことにより、
各教団の長老達は力を合わせることを決意し、
教団を管理する上位団体「レセディア」を立ち上げた。
また、全教団の信者の中から
レセディアを率いる「教皇」を選出するのだった。
教皇は、シルバリア帝国の皇帝の前で教皇となったことを宣言した後、
神聖なる地「ハイランド」に祈りを捧げることで、
その職務が始まるのだった。
- Part2
- 教皇が見つけた神秘の領域
-
数世紀前、祈りを捧げるためにハイランドへの旅に出かけた教皇は、
ハイランドのインヴァネルに辿り着いた瞬間、
謎の空間に閉じ込められてしまう。
神秘的な光が通り過ぎていくそこは、まるで神々が住まう場所のようだった。
人の手では造れないであろうほどの巨大な塔、
その後ろには塔に匹敵する大きさの怪物が
すべてを破壊するかの如く、鈍器を振り回して近づいてきていた。
教皇は急いでその場所から抜け出そうと、
行く手を阻む怪物を倒しながら逃げ回ったが、
出口は見当たらず、いつも同じ場所へ戻ってきてしまうのだった。
その過程で何かを悟った教皇は、自分が知りうる限りの方法で扉を生み出し、
命からがら脱出することに成功する。
そして、他の人達がここに閉じ込められることがないように、
神聖力を使って封印したのだった。
時が経ち、ほんの些細な偶然から、その空間に再び来訪者が訪れた。
少しの間隠れるだけで、すぐ出て行くつもりだった彼女も、
やがて自分が閉じ込められていることに気づいた時にはもう遅かった。
この空間「モクシャ」は、
神を信仰する教皇であろうと、神秘的な力を持つ魔女であろうと、
生きとし生けるもの全てを、決して放すことはことはない……。
- Part1
- セレス教団と教皇
-
プレイオスで神に仕える教団はと聞けば、
誰もがセレス教団の名前をあげるだろう。
他にも数多くの教団はあるが、
一般市民にまで名前の知られた教団は他にない。
また、セレスとは異なる神を信仰している教団の司祭やシスター達も、
自身の教団について説明するには、かなりの時間を要してしまうため、
対外的にはセレス教団だと話している。
魔界がプレイオス大陸への侵攻を始めたことにより、
各教団の長老達は力を合わせることを決意し、
教団を管理する上位団体「レセディア」を立ち上げた。
また、全教団の信者の中から
レセディアを率いる「教皇」を選出するのだった。
教皇は、シルバリア帝国の皇帝の前で教皇となったことを宣言した後、
神聖なる地「ハイランド」に祈りを捧げることで、
その職務が始まるのだった。
- Part2
- 教皇が見つけた神秘の領域
-
数世紀前、祈りを捧げるためにハイランドへの旅に出かけた教皇は、
ハイランドのインヴァネルに辿り着いた瞬間、
謎の空間に閉じ込められてしまう。
神秘的な光が通り過ぎていくそこは、まるで神々が住まう場所のようだった。
人の手では造れないであろうほどの巨大な塔、
その後ろには塔に匹敵する大きさの怪物が
すべてを破壊するかの如く、鈍器を振り回して近づいてきていた。
教皇は急いでその場所から抜け出そうと、
行く手を阻む怪物を倒しながら逃げ回ったが、
出口は見当たらず、いつも同じ場所へ戻ってきてしまうのだった。
その過程で何かを悟った教皇は、自分が知りうる限りの方法で扉を生み出し、
命からがら脱出することに成功する。
そして、他の人達がここに閉じ込められることがないように、
神聖力を使って封印したのだった。
時が経ち、ほんの些細な偶然から、その空間に再び来訪者が訪れた。
少しの間隠れるだけで、すぐ出て行くつもりだった彼女も、
やがて自分が閉じ込められていることに気づいた時にはもう遅かった。
この空間「モクシャ」は、
神を信仰する教皇であろうと、神秘的な力を持つ魔女であろうと、
生きとし生けるもの全てを、決して放すことはことはない……。
- Part1
- 知られざる神々の選択
-
近づくことすらかなわない絶対的な存在、それこそが「神」である。
だが、次々と神々が消滅させられていく中で、
神は、己も人間達と何も変わらない存在なのだと悟り……恐怖した。
それでも正気を保つことができたのは、
この先に待つ最悪な未来が見えていたからだ。
神の目前に、“選択”の時が迫っていた。
……結果として、神は“選択”することができなかった。
考え得る限りの方法を模索するも、
それを実行するだけの時間が残されていなかったのだ。
その“選択”は誰に届くこともなく、
愛した生命の地に零れ落ちていってしまった。
それでも不幸中の幸いだったのは、
神の残した力が愛する生命を守るために使われたことだった。
- Part2
- 神々からこぼれ落ちた涙
-
「混沌の空」の時代に、
当時の教皇は避難民と共にインヴァネルへと向かっていた。
やっとのことで到着したインヴァネルで、怪しげなオーラを感じた教皇は、
その出所を探る中で、見慣れぬ場所へと入り込んでしまう。
そこにあったのは、神の力を扱うことのできる”時間の空間”だった。
教皇は、プレイオスの過去/現在/未来を見る力を経験して、
この空間が邪悪な人間や魔界の存在に知られてしまうことを危惧し、
他の者達に見つからないように、封印することを決断したのだった。
人の身で神の力を扱うにはあまりにも負担が大きく、
教皇は生命力をすべて使い果たし、深い眠りについてしまう。
その後、教皇の手記を見た司祭とシスター達は事の重大さを把握し、
教皇が守ったこの場所を守らなければならないと、
その上に教団が管理する建物を造ったのだった。
神々が世界の運命を案じて残した力は、
悔しくも皆が忘れなければいけない、そんな場所へと零れ落ちたのだった。
- Part1
- 知られざる神々の選択
-
近づくことすらかなわない絶対的な存在、それこそが「神」である。
だが、次々と神々が消滅させられていく中で、
神は、己も人間達と何も変わらない存在なのだと悟り……恐怖した。
それでも正気を保つことができたのは、
この先に待つ最悪な未来が見えていたからだ。
神の目前に、“選択”の時が迫っていた。
……結果として、神は“選択”することができなかった。
考え得る限りの方法を模索するも、
それを実行するだけの時間が残されていなかったのだ。
その“選択”は誰に届くこともなく、
愛した生命の地に零れ落ちていってしまった。
それでも不幸中の幸いだったのは、
神の残した力が愛する生命を守るために使われたことだった。
- Part2
- 神々からこぼれ落ちた涙
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「混沌の空」の時代に、
当時の教皇は避難民と共にインヴァネルへと向かっていた。
やっとのことで到着したインヴァネルで、怪しげなオーラを感じた教皇は、
その出所を探る中で、見慣れぬ場所へと入り込んでしまう。
そこにあったのは、神の力を扱うことのできる”時間の空間”だった。
教皇は、プレイオスの過去/現在/未来を見る力を経験して、
この空間が邪悪な人間や魔界の存在に知られてしまうことを危惧し、
他の者達に見つからないように、封印することを決断したのだった。
人の身で神の力を扱うにはあまりにも負担が大きく、
教皇は生命力をすべて使い果たし、深い眠りについてしまう。
その後、教皇の手記を見た司祭とシスター達は事の重大さを把握し、
教皇が守ったこの場所を守らなければならないと、
その上に教団が管理する建物を造ったのだった。
神々が世界の運命を案じて残した力は、
悔しくも皆が忘れなければいけない、そんな場所へと零れ落ちたのだった。