彼の存在意義、それは主を邪魔する存在を飲み込むこと
いつの頃からだろうか。虚無の星の中に巨大な蛇の姿をした闇が住み着いた。
誰かがそこを訪れるたび、彼は対処した。
彼は闇そのものではなく、主である「蛇」の意思に従って動く、忠実な影であった。
影は普段は捻じれた時空間の隙間で眠り、
誰かの気配を感じると、主の意思に従い権能をふるった。
誰もここへ足を運ばないように。
誰もここに気づかないように。
しかし、転機が訪れた。主を阻止する者が現れたのだ。
主は姿を消し、虚無の星には影だけが残された。
影は本能で理解していた。この者の存在を消さなければ、主はここに戻ってこないと。
影は決意した。主を邪魔するこの存在を飲み込んでしまおうと。
それが、自らのするべきことだと理解したのだ。