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  • 物語の中でしか存在しないと信じられていた神秘的な場所
  • プレイオス東部で暮らしている人々は、半分に分かたれた大陸の西部を
    手の届かない大陸だと思いながら見上げていた。
    プレイオスでさえ他の大陸より高所にあり
    「天空の大陸」と呼ばれているにもかかわらず。

    その考えは人々の想像力を掻き立て、
    次第に具体的な物語へと変わっていった。
    それは大きな大陸に住まう巨人がこちらを見下ろしているという、
    まるで童話のような内容だった。
    しかし、混沌の空が終わりを迎える頃、その童話は半分真実となる。

    アルフヘイムのドークアルプド地域には、
    人々があまり近づくことのない険しい峡谷があった。

    ある日、数人のエルフが戦争から逃がれるように
    峡谷の奥深くへと辿り着いた。
    そして彼らはその場所で奇妙な風景を目撃する。

    そこには、通常の数倍もの大きさの花や木々、
    そして、まるで誰かを待ち続けているかのように立つ巨神像の姿があった。
  • 勇者の伝説に謳われた地
  • 大陸の情勢が落ち着いたことで、アルフヘイムでは峡谷の奥深くにある
    奇妙な場所の研究が始まった。
    エルフ達の努力もあり、ほどなくしてその地に関する情報が紐解かれる。
    そこは、伝説の勇者の武器を創り出した神の彫刻が並ぶ
    巨人の居住地だったのだ。
    伝説の中の話が現実となったことで、多くの人々が峡谷を訪れ、
    そこは瞬く間に聖地と呼ばれるまでになった。

    それから数百年が経った今、昔の栄光が嘘だったかのように、
    リンドス聖域は誰も訪れることのない場所となっている。

    魔族が現れ、多くの命を奪ったことで、
    ドークアルプドの司祭達が聖地への道を封印したからだ。
    さらに、唯一封印を解除できる司祭が突然この世を去ってしまったことも、
    リンドス聖域は誰も訪れない場所になった大きな要因の一つと言えよう。
    そんな地にメディアが訪れたことで、運命が動き出すことになる。

  • 昔々、小さな田舎の村に一人の子供が暮らしていました。
    子供の傍には、いつも生まれた時から一緒に過ごしていた精霊がいました。
    その子供と精霊はとても仲が良く、毎日楽しく遊んでいました。

    ある日、ふと空を見上げた子供は驚きました。
    いつもの青い空とは違い、そこには不穏な黒い影がかかっていたのです。
    子供の母親は怯える我が子を抱きしめながら、
    「あの影は、昔から出たり消えたりしているのよ」
    と言い安心させました。
    子供は母親の言葉に少しだけ笑顔を取り戻し、
    その日は布団を頭の先までかぶって眠りについたのでした。

    「起きて、起きて…」
    すやすやと眠りについていた子供は、
    ささやくように自分に話しかける声に気づきました。
    その声はいつも傍で優しく頭をなでてくれる
    母親のものではありませんでした。

    「ねえねえ、目を開けて前を見てごらんよ。」
    その声がもう一度子供にささやきかけました。
    子供は眠い目をこすり、背伸びをしながら周りを見渡しましたが
    母親は見つかりませんでした。
    それどころか、愛する村までなくなっていたのです。
    残っていたのは、寝起きの自分と傍でささやく精霊だけでした。
  • 空にあったあの影はより大きくなり、空の半分を覆い尽くさんとしていました。
    「あのねあのね、あの黒い影がみんなを飲み込んじゃったの。」
    と精霊は言い、お母さんと村を取り戻す方法を子供に教えました。
    「巨人のおじさんが黒い影を斬る武器を創ってくれるはずだよ。」
    まだ自分に起きた出来事を信じることのできない子供だったが、
    精霊の言葉に従い、巨人のおじさんに会いに行くことにしました。
    長い長い坂を上り、大きな川を渡った先の
    ゴツゴツとした岩山をなんとか登りきり、
    ついに巨人のおじさんに会うことができました。

    巨人のおじさんは子供と精霊の話を聞いて、大きな石像を創り始めました。
    一つ、二つ、三つと、巨人は黙々と石像を創り続け、
    気づけば石像が岩の山を埋め尽くすことになりました。
    すると、空にあった黒い影が石像を人間と勘違いし、
    彼らを飲み込まんと近づいてきたのです。
    「こら!」そう言うと、巨人のおじさんは影を捕まえ、
    空っぽの石像の中へと閉じ込めました。
    その瞬間、真っ黒だった空が再び明るくなったのです。
    そして不思議なことに、あの精霊までも消えてしまったのです。
    「さぁさぁ、影はここに閉じ込めてやったぞ。もう心配はいらない。」
    「さあ、一緒におうちに帰ろう。お母さんが待っている。」
    そう言うと、巨人のおじさんは子供を肩に乗せ、村へと向かいました。
    子供のお母さんと村人達は、巨人のおじさんを見て心底驚きましたが、
    その話を聞いて、皆が巨人のおじさんに感謝しました。
    そして、巨人のおじさんは村人達の友達となり、
    彼らと末永く楽しい時間を過ごしたとさ。

    クララ童話集「巨人と影」より

  • 勇者と巨人
  • 世界の滅亡を望む影は時空を超え、いつも星の傍に潜んでいた。
    星を愛する生命達は、幾度となく互いの信頼と意志を胸に立ち向かうも、
    滅亡を望む影との闘いは、決して簡単なものではなかった。
    そしてついに、誰も望まない滅亡の「その日」が近づいてきた。
    滅亡の影を断ち斬る強力な武器の必要性を感じた勇者は、
    唯一その武器を創ることができる者の住まう地へと向かう。

    巨人は突然訪れた小さき者に、武器を創ってほしいと言われて驚く。
    仮に創ったとしても、人間には決して扱えるものではないと伝えるも、
    勇者と名乗る小さき者の意志は折れることはなかった。
    そこで巨人は明らかに困難な試練を課し、
    それを乗り越えることができた時には武器を創ると約束する。
    しかし、武器を諦めさせようとした巨人の思惑を裏切り、
    勇者はすべての試練を乗り越え、
    その武器を手に入れることに成功するのだった。
  • 運命の道にある場所
  • 勇者の伝説に出て来る場所のほとんどは、今でも人々の傍で息づいているが、
    巨人が武器を創ったという場所だけは、未だに誰も見つけることすらできてはいなかった。
    誰もが口々に「偉大なる古代学者ヘレナさえもその場所を見つけることができなかった」と言い、
    この世には存在しない場所なのかもしれないとさえ語られ始めた。

    テオドール教授は、勇者の伝説を引用して生徒たちにこうメッセージを送った。

    「伝説の勇者が誰も見つけられなかった道に入り、巨人と出会えたように、
    みなさんも自分だけの道を見つけ、本当の運命を見つけられることを願います。
    もしかすると、その運命も皆さんに見つけてもらえることを待っているかもしれませんよ?」