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Part1
ルミナスシティの裏面
大いなる宇宙の意思が見つけたのは
時空間の狭間を彷徨う一筋の願いの光だった。
それは大いなる宇宙の意思に受け入れられ、
闇に閉じ込められた一人の少女の願いが叶った。
豊かな土地に、数多くの生命が芽吹き、
皆が平凡で幸せな時間を過ごしていた。
それこそが少女の願いであり、
輝く世界、ルミナスのあるべき姿だった。
かつては少女の意志を誤って解釈した存在により、
危機が訪れたこともあった。
しかし、ここは数多くの生命に守られており、
これからも守られなければならない場所。
願いの光で生まれたこの世界が、そう簡単に崩れてはならない。
Part2
幸福が集まる大切な場所
オーディンとニイがルミナスを支えることができたのは、
ルミナスとは似て非なる、裏面と呼ばれる場所があったからだ。
「レーラズ」という小さな木が中心にある街、ヴィーグリーズ。
彼らは、その場所を見守りながらルミナスが完成する時を待っていた。
しかし、そんなルミナスに滅亡の危機が迫っていた。
エトワールを始めとする、本来ルミナスと関わるはずのない
異なる世界が近づきつつあった。
そこに、異なる世界の意思ではなく、
ヴィーグリーズを狙う何者かの悪意を感じた
管理者オーディンとニイは、決死の覚悟で立ち向かった。
始まりは小さくか弱い木だったが、深く根を張り、
共に成長してきた皆が大切に思う場所を守るために。
だが、彼らの努力も虚しく、ヴィーグリーズは敗北を喫することとなる。
彼らの願いを押しつぶすほどの、強大な悪意によって…
Part1
冷たい霧に覆われた世界
全てが凍結してしまった、そんな手に負えない世界があった。
傷を負い追放され、何も視認できない場所で
神と呼ばれた存在は、黙々と己の仕事を続けていた。
そこが、死の空間、地獄が始まる場所と呼ばれようとかまわなかった。
ただ、救済を求める者達を迎えることができるのならば
それだけでよかった。
この世界に残存している神は、どんな汚名を着せられたとしても、
長い時間をかけ、奇跡を与えていた。それは、時空の歪みにより
煩わしい親族や配下達から縁を切ることができたからだ。
やがて世界が安定したことにより、今や神「ヘル」として、
その仕事を続ける必要がなくなってしまった。
いつの間にか、黄昏に導く使命すら、思い出すことはなくなっていた。
Part2
客人を迎えるために作られたターミナル
ニブルヘイムの市街地の片隅で、ヘルは黄昏の代わりに
いつか訪れる喜びの日に備えていた。その日に訪れた客人が無事に辿り着き、
迷わず次の目的地へ向かえるように、とあるターミナルを作ることにした。
それは、地獄の女神と呼ばれていたヘルが変わったことの証だった。
ニブルヘイムのように冷え切った心も溶け出して、
気持ちを弾ませながらゆっくりと計画を立てて進行していた。
そんな中、ニブルヘイムに流れる川が少しずつ熱くなり始めていた。
異なる世界から流れる水流で成り立っていた川が、
本来の姿に戻っていることに気づいたヘルは、急いでターミナルに戻った。
そこで目にしたのは、例え喜びの日であろうとも
決して歓迎するはずのない存在だった。
Part1
燃え滾る炎の川が流れる世界
エトワールの神々が微かに知っていた偉大な壁のその先に、
彼らすら知らない世界があった。長い時間を超えて存在する世界であっても、
壁に隠されていたため、エトワールという名前すら知ることはできなかった。
世界の一部は繋がっていて、互いに干渉しあうこともあった。
そこで生きている生命達は、それぞれの運命と使命を
よく理解はしていたが、無理に実践することはなかった。実践した瞬間、
互いの世界のバランスが崩れることを知っていたからだ。
その中心にある世界。そこは燃え滾る炎の川が流れる
「ムスペルヘイム」と呼ばれる場所。
ある日、いたずら好きの神が虫たちを連れて
炎の川を下ろうとしたことがあった。その安易な行為は一歩間違えば
瞬く間に様々な世界が熱気に浸食されてしまう可能性があった。
ムスペルヘイムは、そんな危険な世界であった。
運命や使命のようなものに関わらず、
管理者は自分の大切な人を守れればそれでよかった。
だからこそ、長い時間をかけて悩み、見つけ出した答えは
少しずつ、この世界を変えていくこととなる。
Part2
川の熱気を消すトンネル
異なる世界に流れでる川の性質を最後まで
変えることはできなかった。むしろすべてを一度壊して
新しく作り直した方が良い気さえした。
ムスペルヘイムの管理者であり、主であるスルトは
悩んだ末、川の周りに様々な施設を作った。
川全体を覆うトンネルを作り、川の熱気を塞ぎ
排出するシステムも開発した。その甲斐もあって熱気を失った川は
純粋な水となり、他の場所へと流れ出るようになった。
ついにスルトは運命と使命から解放されたのだ。
そんなある日、スルトを始めとした多くのムスペルヘイムの住民達が
恐れていた事件が発生する。ムスペルヘイムとニブルヘイムが、
謎の力により「とある世界」と繋がろうとしており、
その余波で再び川が熱気を帯び始めたのだった。
普段はなかなか姿を現すことのないスルトも、
自分の運命と使命から、トンネルの監視を再開する。
そこで、己とは異なる形で
運命と使命に導かれた招かれざる客と出会うことになる。