Part.1人間と異なる存在 「獣人」
人の姿でありながら、獣の特徴を持つ者達がいた。
彼らはその姿から、「獣人」と呼ばれていた。
人間に近い存在でありながらも、決して「人間」ではない
その違いは受け入れられることはなく、
次第に人間達と敵対するようになった。
後にプレイオス全土を巻き込んだ戦争が勃発し、
獣人帝国「クリード」はシルバリア帝国に敗北する。
しかし、「クリード」、そして獣人族が滅びることはなかった。
シルバリア帝国の大魔法使いジェレニスと初代皇帝シエナ
「クリード」の神官と“魔女”によって『契約』が結ばれ、
現在まで歴史を紡ぎ続けている。
Part.2クリードの信仰が眠る場所
かつて、神々の遺物が眠る地「クノッソス」には
多くの獣人が祈りを捧げるために訪れていた。
それから数百年の時が流れ
今となっては、監視のために派遣された
シルバリア帝国の兵士が訪れるのみとなっていた。
そんな時、ある一人の兵士が
見慣れない生物と獣人の姿を発見する。
その存在について「クノッソス」の管理者に訊ね
調査に向かうが、その後、兵士が戻ることはなかった。
Part.1クノッソスの中心にそびえる巨大な装置
“混沌の空”時代、クノッソスを訪れた一人の魔法使いがいた。
彼はとある力に導かれるように、クノッソスの深部へと行き着いた。
そこで目にしたのは、堅い外殻に覆われた巨大な魔力の塊と、
“それ”に祈りを捧げる獣人達の姿だった。
大陸を巻き込んだ戦争が終結した後、
魔法使いはベルパ図書館の書物にて
かつて見た“それ”が、何かを知る。
“それ”は、神話の時代より存在する、神々の遺物だったのだ。
Part.2時を刻む鼓動
獣人達は、まるで脈を打つかのように魔力を揺らす
その巨大な塊を『心臓』と呼んだ。
そして、大陸の歴史の始まりから、時を刻み続けた
『心臓』の佇むこの場所を、“心臓の記憶”と呼んだ。
『心臓』には獣人を脅かす者が現れた時
その魔力にて獣人を守るという逸話があった。
それ故、獣人達は『心臓』を信仰していた。
だが、獣人帝国「クリード」が戦争に敗れたことで
少しずつ『心臓』に対する信仰は失われていった。
やがては獣人達の記憶から抜け落ち
“心臓の記憶”に訪れる者もいなくなった。
それでも、
今なお『心臓』は止まることなく脈打ち続けている。
Part.1謎に満ちた古代遺跡
古の時代、プレイオスは獣人と人間の勢力で二分されていたが
今では、その生存可能領域のほとんどを人間が占有していた。
その事実に歴史学者テオドールは疑問を抱いていた。
人間を超える文明力や優れた身体能力を持っていながらも
何故、獣人は人間に敗れたのか。
その『答え』に近づくための鍵が、ここに眠っている。
ここは“過去”が眠る遺跡、「アクロの墓」。
かつて、獣人帝国「クリード」を滅亡へと導いた君主が住んでいた場所である。
Part.2遺跡に漂う気配
獣人と人間は長い間敵対していたこともあり
多くの獣人は人間を避け、静かに暮らしていた。
だが、「クリード」を訪れた一人の冒険者によって
人間との交流が始まった。
クノッソスの一部の地域には
獣人すら近寄ることのない場所があった。
唯一訪れるのは、見回りに来る兵士のみ。
その姿を、今はもう動くことのない巨大なゴーレムだけが見つめていた。
ある時、巨大なゴーレムの岩の隙間から
異様な気配が感じられた。
探索を行った兵士は、そこで見慣れない生物や
初めて見かける獣人を多数発見することになる。
まるで、今この場所で“命が生まれた”かのような光景に
普段よく見ていたはずの巨大なゴーレムすら、
命を得たのではないかとすら思えた。